PILOT iroshizuku ina-ho
季節ごとに使う色を替えているというインクマニアの人は多いと思う。例えば、春はピンクや緑といった明るくてあたたかみのある色、夏はブルー、ターコイズ系、冬は暖色系というように、季節に合った色を使って日記を書いたり、手帳に予定を記したり、あるいは手紙を書いたりするのはとても楽しいし、四季を楽しむ日本人ならでは、じゃないかと思う。
さて、この稲穂も、これからの季節に使ってみたい色だ。もう、名前からこの季節に使ってといわんばかり!(笑)しかも、なかなか他にはないような微妙な茶色というのがなんとも良い。グリーンのような茶色のような。でも緑にはカテゴライズできないその絶妙なニュアンスはまさに秋の田んぼで風に揺れる稲穂そのもの。
色というのは触って温度がわかるわけではないけれども、その色の持つ独特の温度というか質感というのは伝わるのではないだろうか。この「稲穂」はまさに、そういう独特の質感というものを見事に色に昇華したんじゃないか、そんな気がする。