HAPPY INK DAYS archives

インクでハッピーな毎日を彩ろう!

#0343 MONTEVERDE Erinite

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MONTEVERDE Erinite

モンテベルデ エリナイト

 

モンテベルデの宝石シリーズには、ターコイズ系の色が少ないので、今まで、持ってはいたけれどもあまり使ったことのないインク、という感じでした。でも、実際に今回色々と書いてみると、なかなか面白い色があることが判明。

そのうちのひとつがこれです。

見てください、この微妙な色!薄いけれども、きちんと判読性もあるし。でも、パキッとした色じゃなくて、フンワリ系な色もまた魅力です。

パステル調のインクが好きな人にはたまらないのではないでしょうか。ぼくも若い頃はパステルカラー(時代的にパステルが大流行したっていうのもあるんだけれども)が好きだったから、こういう色を見ると妙に懐かしい気持ちになるんですよ。

これは春先に使うと良いんじゃないかなぁ。あったかくて、でもそんなに暑くない時期にヘビロテしそうな色なのではないかと思うのであります。

 

#0342 MONTEVERDE Fire Opal

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MONTEVERDE Fire Opal

モンテベルデ ファイアオパール

 

昨日に引き続き、モンテベルデのジェムシリーズのご紹介。

こちらは、ファイアオパールという石。でもねぇ、ほんと、宝石を含めて、装飾品にあまり興味がないので、まったくわからない…。

オパールぐらいはわかるし、石を見せられればこれは「オパールかしら?」という感じでぼんやりと判別することはできる。でも、詳しいことは良く知らないのです。

宝石にもいろんな種類があって、同じ石でも産地によって色が変わってくるようだけれども、このファイアオパールもきっとそんな石なんだと思う。

オパールというと乳白色のイメージで、インクにするのは難しいけれども、このファイアオパールは、赤みがかっているので、インクにしやすかったのかなと思います。

そして、この色もまた実に微妙。オパール独特の乳白色の部分もほんのりと感じることができる赤なのではないかと思うのです。

明るめの茶色なので、文字を書いているだけで元気になれそう。

セーラー インク工房 100色インクをめぐる悲喜こもごも

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セーラーからインク工房という名前で、100色のインクが出るというニュースが流れたのが月曜日の朝のこと。
会員登録をしないと読めないネットニュースだったので、詳細がわからなかったのですが、その日の夕方にはセーラー万年筆から正式に告知があり、全容が明らかになりました。
その時、ぼくはぷりぷりと怒っていました。
なぜ、ぼくが怒ったのか。その理由はいくつかあります。
ぼくが頭にきた一番大きな理由は、自分が今まで雑誌やブログでインクを紹介してきたことが全否定されたような気がしたから。
ぼくは、インクというのは、単なる、とかとかターコイズというのではなくて、作り手のこだわりだったり、そのインクの背景だったりストーリーだったりコンセプトだったりするものがあるから人々はそこに共感してインクを買うものだと思っていたのです。
そして、このブログ「Happy Ink Days」も、そういったところに焦点を当てて、ぼくなりの視点でインクを紹介してきました。
ところが、今回発売される「インク工房」の100色は、色に名前もつけておらず、単なる識別ナンバーだけ。さらにインクに対するストーリーやコンセプトは一切無視。
今まで石丸さん一人一人のオーダーを聞いて作ってきたり、いろいろなお店のオリジナルインクを作っていたりしてきたセーラーがそんなことをして良いの?と正直、がっかりしました。
ぼくがどれほどショックだったかというと、雑誌の連載も、このブログも、すべて中止して、金輪際インクのことは一切語らず、なんだったら集めたインクをすべて処分してしまおうかしら。
と思ったくらいショックでした。
ところが、一晩たって、あるフォロワーさんの一言にぼくは、目から鱗が落ちたのです。
「素材というのは、あくまでも素材であって、無機質な方が私は好感が持てる」
その言葉はそれまでインクというのはストーリーありきというのが基本、という固定概念をがらっと取っ払ってくれたのです。
そういえば、学生の時に使っていた絵具もそんな感じでしたよね。
単に、、みたいに単純な色名がついていた。
そしたら、インクだって、そういうのはありなのではないか。
色名を100色考えるのは大変だから、識別番号にしたんだろうから、それはそれで問題はないはずだし。
そう思えるようになってから、ちょっとぼくの気持ちは落ち着いてきました。
でも、それでもやっぱり複雑な想いではいたのです。
ぼくはインクの背景にあるものを紹介したいから、このブログをやっているわけで、そうなると、今度の100色はそれとはまったく違うコンセプトだから、紹介することはないんじゃないかって。
だったら、ぼくはこの100色インクは買わない!とTwitter上で宣言してしまったほど。
そして、昨日の夜、ふとね、「逆コンセプトインク」という位置づけにしたらどうだろうか?って思ったのです。
つまり、今までは、先にそれぞれのインクに背景があって、それをブログで紹介してきたけれども、この100色に関しては、先に色があって、そこにぼくなりのストーリーをつけていく というもの。
もちろん、それは、ぼくが勝手に妄想するものであるから、その色を見て、他の人はまったく別の風景やストーリーを思い浮かべるだろうけど、ぼくはこの色からこういうストーリーや名前を作ってみました、と提言するの。
そう考えたら、ものすごくこの100色に興味を持つことができました。
だって、せっかくインク沼の深いところに生息しているんですもの、こうなったら、とことん楽しむしかないじゃない?
そんな気分で、本日、先行発売当日を迎えたのでした。
100本のインクだから、さぞかし大々的に置かれているだろうと思ったら、もともとミニボトルということもあり、実際の売り場はそんなにどでかい、という感じではありませんでした。
でも、やっぱり売り場によっては、これだけの什器(4本を入れられるようになっている引き出しが100個分という感じ)を置くのは大変かなという感じもしました。

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でもね、やっぱり100色というのはインパクトもあるし、選ぶ楽しみもあるので、これはこれで面白いなと思ったの。
例えば、売り方として、10色ずつを10か月で出すとか、コンセプトをそれぞれ作ってちまちま売るというようなことを考えたけど、それだと今までとあまり変わりなくて、インパクトに欠ける。
それだったら、100色をどーんと出した方が良い。というセーラーの判断は正しかったんじゃないかって思ったのです。
あとね、やっぱり買う方はいろいろなことを想いながら買うわけですよ。
特にインクに想い入れの強い人なんかは。
何系の色から揃えていこうかなとか、自分はこの色は買うけど、これは買わないだろうなとか。
ぼくが今日考えたのは、どうせ全部揃えるんだったら、一気に全色買う(長崎の石丸文行堂さんのカラーバーインクを買った時のように)のではなく(それはそれでインパクトはあるだろうし、そんなことをするのはそんなにたくさんいないだろうけど)、少しずつ買い足して行こうかなっていう気がしたのであります。
そこで、ぼくなりのルールというか、決まりを作りました。
1度に買うのは5本まで。
それも、下記の表で、ピンクの枠で囲ったグループの中から1本ずつ計5本を20回にわけて購入する。

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というマイルールです。
それをフォロワーさんに言ったら、「20日間毎日通うんでしょ?」と言われてしまいましたが、今のところその予定はありません(笑)。
少しずつ、少しずつ、増やしていくという楽しみを味わうのもインク沼の住人としての醍醐味なんじゃないでしょうか。
まぁ、これは、全色購入することが前提ではあるわけですが。
で、そうやってぼくは今日発売記念に5本を選んだのですが、こちらの一覧と実際の色見本は違うので、選ぶのも一苦労。

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でもね、それをああでもない、こうでもないと選んでいる時に、隣にいた二人の女性のお客さんの会話が耳に入ってきたのです。彼女たちはどうやらまだ万年筆は初心者の模様。でも、それほどインクのことは知らないという感じ。でも、この100色のインクを見て、「まるで色鉛筆みたい!」とはしゃぎながらインクを手に取っていたのです。
それを聞いて、こうやって少しずつでもインク、万年筆文化が広まっていけば良いなっていう気がしました。
石丸ブレンダーのインク工房に並んだり、ご当地インクを買ったり、限定インクを買うために朝早くから行列したり、さらにはミクサブルインクで自分の好きな色を作っちゃうというのは、かなり特殊なこと
一般の人たちからすると「何をそこまで熱くなっているの?インクなんてと黒だけで十分でしょ?」という意見が圧倒的に多いはず。
でも、そういう人たちに少しでもカラフルインクを気軽に楽しんでもらえれば、それはそれで良いんじゃないかっていう気がしたのです。
ただ、ひとつだけ言わせて!
「インク工房」という名前は、石丸ブレンダーのインク工房と被るのは、混乱する人も出てくる可能性もあり、それだけは少し工夫して欲しかった。
「色彩事典(いろじてん)」「色採集(いろさいしゅう)」「色彩百科事典」などなど、いろんな切り口で名前をつけることはできたはず。
でも、もっと無機質にしたいというのであれば、むしろセーラー100カラーズの方がシンプルで良かったのではないかと思います。
ともあれ、このインク工房を巡って、今週の前半はなんだかぐったりと疲れてしまいましたけれども、でも、結果として、ぼくはセーラー万年筆が国産の万年筆メーカーの中で一番好きなので、応援するという意味で、これからもこの100色のインクを愛用していきたいなと思った次第であります。
もちろん、インクマニアや石丸ブレンダーのインク工房に思い入れのある人たちは、到底受け入れることはできないと思う人もいるでしょう。そういう人たちのことをぼくは否定することはしません。むしろそういう考え方があっても当然のことだと思います。ぼくだって最初はそう思っていたんですから!
人それぞれ、インクとのお付き合いの仕方はあると思いますので、その中でみんな楽しみましょうよ!というぼくのスタンスは変わらないことは明記しておきたいと思います。

というわけで、今回買った5色のインク。

果たして、どんな色か?というのは来週以降じっくりとぼくなりのストーリーを考えながらご紹介したいと思うのでお楽しみに!

#0341 MONTEVERDE Topaz

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MONTEVERDE Topaz

モンテベルデ トパーズ

 

モンテベルデは、数年前はそんなにたくさん色がなくて、本国でも確か8色ぐらいしか出していなかったはず。特に日本にはそのうちの定番の3色しか入ってこなかったので、仲良くなった代理店の人に「入れて!」とお願いしたことがある。

ところが、2年ぐらい前から、急にインクに力を入れ始めて、ミニボトルにしてどんどん面白いインクを出してくれるようになった。海外でもインクブームがついに巻き起こっているのかしら?って思った。

こちらのトパーズはそんなモンテベルデの初のシリーズもので、宝石シリーズです。これがね、また良い色が多いのです。何とも微妙な風合いを出していて、人気の高いシリーズと言えるでしょう。

このトパーズも、オレンジ色なのだけれども、非常に優しい。ほんわかした感じがたまらない。こういう優しい色って、なかなか出せないよ。というか、こういう色を思いつかない。

これはね、これからの季節に使うとぴったりなんじゃないかと思うのです。まだちょっと寒い日があって、ぬくもりが欲しいなっていう時にこれで文字を書くと、ほっと心がぬくもる、そんな感じでしょうか。

オレンジ色でぼくがここまで好きになるのは珍しいですので、ぜひたくさんの方に試していただきたいなと思っています。

 

#0340 MONTEVERDE Purple Reign

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MONTEVERDE Purple Reign

モンテベルデ パープルレイン

 

パープルレインと聞いて、八神純子を思い浮かべるそこのあなた…。同志ですわ(笑)。80年代に青春時代を日本で過ごしたという人、あるいはその時代の日本の音楽好きな人に違いない!

 

という話は置いておいて…。こちらのパープルレイン。色そのものは明るめの紫。でも、ぼくのイメージではもっと深みのある紫なんだけどね。パープルレインというのは。

なぜそう思ったかというと、ぼくたちの世代で、洋楽を聞いていた人なら、このタイトルを見た時に、思い浮かべるのはプリンス様なの。

で、彼の代表曲に「Purple Rain」というのがありまして、そのイメージなわけです。

こちらは「Reign」なんだけど、この単語そのものには、君臨、とか統治という意味があるので、プリンス様はこの両方をかけてあの曲を作ったのかなと思ったわけです。

「Purple」も単なる色ではなく、帝王、国王、君主という意味もあり、「帝王君臨」という意味になるのかなと勝手に思っています。色々と調べてみたけど、そこら辺のことをきちんと書いてある文献が見つからないので、もしプリンス様に詳しい方がいたら、教えてください。

でね、やっぱりプリンス様といえば、紫のイメージがとても強いの。ところが、その紫っていうのは、こんな明るくないわけですよ。もっとダークな影を背負ったような紫。だから、ぼくは正直、この色を見た時ちょっと面食らってしまったわけです。

ともあれ、かなり明るめな紫は、どこでも誰でも使えるっていう感じではないかなぁ。ちょっとTPOを選んでしまいそうだけど、でも明るい色が好きな人にはたまらないのではないかと思います。

 

#0339 MONTEVERDE Napa Burgundy

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MONTEVERDE Napa Burgundy

モンテベルデ ナパバーガンディ

 

モンテベルデのインクは比較的集めやすいということを書きましたが、日本ではまだまだ取扱店が少ないのが難点といえば難点です。

ただ、ネットなどでも買えるようになってきたので、もし気になる人がいたら、お試しで購入してみるのも良いかもしれません。お試しでもお財布はそんなに痛くならないし、どの色も使いやすいから、おすすめ。

このナパバーガンディもそんな色です。

最初、これを書いたばかりの時、ちょっと影のある赤色なので、エルバンのアンティークブーケに似ているなと思ったのです。

 

happyinkdays.hatenablog.com

 

でも、改めて乾いてからスキャンしてみると、そんなに薄くないので、びっくり。このインクは、書いたばかりの時はもっと薄めなのですが、時間が経つと濃くなるみたいです。

でも、このぐらい濃い方が、判読性も高まるし(これはぼくがとても気にしている部分。特に万年筆のインクは読めてナンボ、の世界だから読めないと意味がないと思うのです)、どんな場面でも使えるのではないかと思います。

この色そのものに魅力があるので、好きな人は多いと思います。特に赤や渋い色が好きな方にはお勧めしたい色です。

#0338 MONTEVERDE Yosemite Green

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MONTEVERDE Yosemite Green

モンテベルデ ヨセミテグリーン

 

モンテベルデのインクは小瓶(30ml)だし、お値段もお手頃(日本だとだいたい1000円ぐらい)なので、比較的手に入れやすいインクだと思います。それに、この小瓶って、集めたくなるくらい可愛らしいんですよね。収納も場所を取らないし。

モンテベルデの単体は、透明のプラボックスに入っているので、持ち運ぶ時にはそのボックスに入れる形になりますが、収納する際は、すべて無印良品の一番浅いボックスにぎっしりと並べて入れています。それもまたぼくみたいにコレクションする人には場所を節約するという意味でもありがたいのであります。

さてさて、こちらのヨセミテグリーンは最初に出た定番シリーズのうちの一本です。

ヨセミテというのは、カリフォルニア州にある国立公園で、面積で言うと、アメリカで一番小さな州であるロードアイランド州とほぼ同じというから、どれだけ大きいかということがわかるでしょう。

ヨセミテっていうと、ぼくはコヨーテだとか、荒野だとかそういういかにも西部劇っぽい雰囲気を思い浮かべるのだけれども、動植物も多様らしく、緑も多いみたい。

で、このヨセミテグリーンはそんなグリーンを表しているのだと思う。書いたばかりの時は明るめのグリーンなのですが、色が落ち着くとだんだんと深みを増してくるところが面白い。そして、中字~太字はもちろんのこと、細字でもインクフローが楽しめそうで、そこもまたこのインクの魅力でしょう。

これからの季節にもぴったりなので、がんがん使っていきたい色。