PILOT 色彩雫 iroshizuku
江戸の粋 Tokyo Limited Edition 江戸紫 Edo-murasaki
古今東西、紫という色は高貴の色とされているのではないかと思う。
神秘的な儀礼の時に使う衣装だとか、神秘性を表すような場面では必ずと言って良いほどこの紫が使われることが多い。何となく、人間の根源的な部分において、紫色に対する特別な想いがあるのではないか、そんな気がするのだ。
さて、この江戸紫は、以前東京限定で発売された色彩雫のシリーズのうちの一本。
ぼくがインクに凝り始めた頃、東京の一部の地域で発売されたらしいのだが、当時はインクのことを知ったばかりで、これが限定だなんて知らなかったし、その存在すらも知らず、ぼくにとっては幻のインクになっていた。
ところが、去年、この限定インク3色が復刻されることのことで、発売を知ったその足で、銀座の伊東屋さんに行って3色とも無事に購入することができた。
閑話休題。
色彩雫シリーズは、すでに「紫式部」という紫系の色を定番品として出しているけれども、こちらの方がぐっと渋い和の感じ。独特のくすみ感というか、影が感じられる。
ちょっと気の利いた落語のセリフなんかを、この色で書いてみるっていうのも粋かもしれない。