ナガサワ Kobe INK物語
第42弾 六甲アイランドスカイ
ぼくが万年筆を本格的に使い始めたのは、2010年ころのこと。
当時はまだ良くわからずに、ただ何となく自分の気になるインクや万年筆をただひたすらに集めていたような気がする。
でも、さすがに7年も集めてくると、いろいろなことがわかってきたり、当時とは違う好みが出てきたりして面白い。
例えば…。万年筆デビューをした当初は、インクフローを楽しみたくて、もっぱら中字以上を使っていた。ところが、数年前から急に細字にも興味を持つようになり、今万年筆を買う時は(国産と舶来、あるいはブランドによって違うのだけれども)、だいたい細めのニブを選んでいる。
それと似たようなことがインクにも言える。
万年筆を使い始めた頃は、濃い色の方が好きだった。文字としてきちんとストレスなく読めなくちゃいけないという気持ちが強かったからだ。
ところが、最近は判読することができれば、薄くても良いじゃないか、っていう寛容な気持ちが出てきたのだ。きっといろいろなインクを使ってきて、自分なりに達した結論なのかもしれないけれども。
で、この六甲アイランドスカイは、まさにそんなちょっと薄めの、でも判読することはできるレベルの色、だと思う。
ちょっとくすんだ春の空っていう感じかなぁ。それが実にさわやかで気持ち良いのですね。