SAILOR Jentle Ink 色織々(現・四季彩)
桜森
今では四季彩という名前でリニューアルされ、定番化されたセーラーの日本の四季をモチーフにしたインク。
もちろん、この「桜森」の季節は春。
最初このインクを書いた時、それまでくっきりとした濃い色を好んで使っていたので、なんて薄いのだろうかと思って、敬遠していた。
特に万年筆にはまり始めた頃は太字が好きで太字ばかり使っていたので、余計に薄さが目立ち、それもあって文字が読めないのは嫌い!って思っていたぼくはあまり使わなかったのだ。
ところが、数年たった今、改めて書いてみると、思っていたほど薄くない。
これはぼくの色に対する認識が変わったのか。
それとも、インクそのものの経年劣化なのか。
(だとしたら悲しいけれども…)
薄いサーモンピンクなんだけど、すこしグレーがかっていて、影を感じる色でもある。
明るいだけじゃない花曇りの空の下の桜というか。
桜というのは一見華やかで美しいのだけれども、花の命は短くて、場合によっては、あっという間に散ってしまう。その儚さを抱えた花という印象で、そこがまた切なくて良い。
この桜森はそういう影を感じさせる色で、そこが魅力なんじゃないかと思うのです。