Pent コトバノイロ
黒蜥蜴
江戸川乱歩の作品を、果たして純文学系作家の作品と並べて良いのか？と思う人もいるかもしれないけれども、ぼくはこれもどうしてもシリーズに加えたかった作品のひとつ。もともと江戸川乱歩のあの淫靡な世界は子どもの頃から憧れていたけれども、大人になって読み返すと、その頃は感じなかった、さらに人間の奥深さが理解できるようになり、江戸川乱歩っていうのも、すごい作家だなぁと痛感することが多くなりました。
この作品は新派でも二年連続で上演され、それをきっかけに読み直したら、やっぱり面白くて、その独特の世界観に魅入ってしまったのでした。この作品にはこのかなり黒に近い紫がぴったりだと思っていたので、その色で調合をお願いしました。
文字だとわかりにくいけれども、なんとなく文字の濃淡の部分で紫の存在が確認できるかと思います。そこをぜひ楽しんでください。
