ナガサワ Kobe INK物語
第41弾 須磨離宮ローズ
ちょうどTwitterでこのインクの紹介をしたころ、ネットで、ピンクと紫の区別がつきにくいという記事を読んだ。それによると、ある色について、誰かが「ピンク」と書いたら、それに対してそれは「紫だろう」という指摘があり、それがネットでちょっとした物議を醸しだした、という内容だった。
確かに、ものによってはそういう色もあるかもしれない。
これは、どんな色にもあること。
例えば、茶色と赤だって、その中間色を何色と言って良いのかわからないことも少なくないし、青と緑の境目だって、非常に微妙でデリケートだ。
でも、それはあくまでもその色に対する感覚的なものであって、どちらが正解っていうのはないような気もする。もうなんだったら、「ピンクでも紫でも良いから、素敵な色!ってことでカタをつけたらどう?」なんて思ってしまうこともありそう。
さて、果たしてこの須磨離宮ローズはどうか。
これもまた、悩ましい。
ぼくはこの連載でインクを紹介する時に、色をカテゴライしているんだけど、こういう微妙な色に関しては、ピンクにも紫にも入れちゃうようにしている。
それが一番無難という感じもするし。
だから、大好きなターコイズ色なんてカテゴリーを細分化してしまったくらいだ。
このローズは、とてもみずみずしくって、ちょっと大胆な感じもする。なんていうか、むんむんとした色気のようなものも感じるし。でも、それが嫌らしい色気じゃなくて、実にさわやかで気持ちの良い色気。そこがこのインクの魅力と言えるだろう。